婚のマナーと作法 自宅結婚式

自宅結婚式

式場を借りずに自宅で結婚式を行なうのが自宅結婚式で、通常は新郎の家で、ときには媒酌人の家で行なわれます。新郎の自宅で行なうのは、伝統的な日本の結婚式で、結婚式の原型と言ってもいいでしょう。
新婦が新郎の家に嫁いでいたので、自宅結婚式は新郎宅で行われるのが一般的でした。支度を調えた新婦が媒酌人に付き添われて新郎宅に向かい、新郎宅では身内が集まり、祝言の用意を整えて新婦を迎えます。式の中心になるのは杯事で、神前式で行われる三三九度のルーツは自宅結婚式にあるといわれています。おごそかな雰囲気あふれるスタイルです。
今でも地方では、風習を重んじる旧家などで行なわれますが都会では住宅事情もあって非常に少なくなりました。
挙式を行なう式の間、新婦が化粧を直したりする鏡のある部屋、新婦の親族が待機する控え間、祝宴の間などが必要です。
自宅結婚式を行うのは、床の間のある日本座敷が一般的ですが、今では洋室でも行われます。現代風にアレンジし、ホームパーティーにすることもあります。杯事にこだわらず、牧師や神主を自宅に呼んで挙式を行うケースもあります。

床飾り

式の間の飾り付けは、床の間に「伊弉諾尊(いざなぎのこと)」、「伊弉冉尊(いざなぎのみこと)」と記した二幅一対の掛軸を掛けるのが正式ですが、松竹梅、慰(じょう)と姥(うば)、鶴亀、蓬莱山など、めでたい掛軸が使われます。
床の間中央正面に若松を立てて餅蓬莱(もちほうらい)を飾り、左右に瓶子(へいじ)を配します。前方中央に長熨斗(ながの)をのせた熨斗三方(のしさんぽう)を置き、その左右に、三つ組の杯をのせて三方と、結び昆布、小梅、巻きするめ、勝栗など縁起物三種をのせた三方を配します。縁起物はそれぞれが三方にのせられることもあります。そしてその前に雌蝶(めちょう)、雄蝶(おちょう)を飾りつけた銚子を置きます。これらの道具の配置は、地方や家によって若干異なることもあります。
雌蝶、雄蝶というのは、婚礼に用いられる銚子や瓶子の首に飾る紅白、金銀などの蝶花形の一対の紙飾りです。蝶花形は同形の折り方で、雌蝶は仰向けに、雄蝶はうつ伏せに飾られます。また雌蝶は頂がV字型、雄蝶の頂はとがっている異形のものがあります。

杯事が中心

式次第は、地方や家の格式などによって独特のしきたりや流儀がありますので、両家で充分に打ち合わせをする必要があります。式次第は、三三九度の杯と親子固めの杯の二つの杯事を中心に据えて行なわれます。
昔は新郎方の使者が新婦の家に迎えに出向き、新婦は介添人と使者に伴われて新郎宅に向かいましたが、現在では新婦は親族とともに向かい、媒酌人夫婦が出迎える略式が多いようです。新婦の親族は控室で新郎側から桜湯などの接待を受けます。

自宅結婚式の席次

自宅結婚式の席次

自宅結婚式の式次第

一.入室・着席
参列者は新郎、新婦それぞれの父母、家族、近い親族です。まず参列者が式の間に入って着座します。床の間に向かって左側が新郎方、右側に新婦方の家族、親族が向かい合って座ります。そして新婦が媒酌人夫人に付き添われて入室し、床の間に向かって右側に座ります。媒酌人夫人もその横に座り、続いて新郎が媒酌人に付き添われて入室し、新郎、媒酌人は所定の位置に座ります。地方によっては新郎が先に入室します。

一.三三九度の杯
媒酌人が開式を宣言したあと、媒酌人は床の間の瓶子から雄蝶、雌蝶の銚子に御神酒を移します。直接酌をする雄蝶の酌人は女の子が努め、本酌と呼ばれます。男の子が努める雄蝶の酌人は、雌蝶の酌人の銚子に御神酒をつぐ係で、加え酌と呼ばれます。
三三九度の杯は夫婦の契りの杯で、新郎から始める地方と、新婦から始める地方があります。
新郎から始める場合は、酌人が新郎の前に三つ組の杯をのせた三方を置き、新郎が小杯をとったら酌をし、飲み干した新郎が杯を元に戻したら酌人は新婦のほうを向いて酌をします。新婦が飲み干して新郎に杯を回し、一の杯が終わります。二の杯は中杯を使い、新婦から新郎へ、さらに新婦へと杯が回され、三の杯は、大杯が新郎から新婦へ、さらに新郎へと回されて三三九度の杯はおわります。
酌人が杯と銚子を下げましたら、媒酌人は、「めでたくお式が相済み、幾久しくお喜び申し上げます」と、二人が夫婦になったことを宣言して祝辞を述べます

一.祝賀の謡曲
杯事の進行に合わせて、媒酌人が『高砂』の一節を謡う場合もあります。隣室で謡われることもあります。省略されることもあります。

一.親子の杯
三三九度のあと、新郎の父母、新婦が別室に移って、親子の杯が交わされます。新郎の両親が上座に新婦が下座に座ります。まず父親が杯を干して、その杯を新婦に回し、新婦はふたたび父親に戻します。この杯を母親が受けて新婦に回し、新婦が母親に返して、杯事は終わります。新郎と新婦の両親との杯事が行なわれることもあります。
最近では、親子の杯の儀を省略して、親族固めの杯だけ交わすこともあります。

一.親族固めの杯
新郎新婦は新郎方の末席に座り、媒酌人夫婦も部屋中央の末席に移ります。
酌人が二人いる場合は、新郎の父親、新婦の父親に同時に酌をし、それぞれ、母、兄弟。姉妹、親族へと順に杯を回していき、新婦方の杯を新郎が、新郎方の杯を新婦が受けて杯を納めます。
略式では、一つに杯を新郎の父親から新婦の血親へ、続いて新郎の母親、新婦の母親というように、両家交互に杯を回して、最後に新婦が納めます。
最近ではもっと簡略化され、各自の杯を用意して、酌人がついで回ったあと、媒酌人の発生で、一同が「おめでとうございます」と唱和して乾杯します。

一.式終了の挨拶
媒酌人が指揮の終了をします。挨拶の内容は、「これにてめでたく本日の婚礼が相済みました。お二方ならびに両家の皆様が幾久しく御睦まじくご繁栄されますよう、心からお祈り申し上げます」です。

一.祝宴
式終了後、別室に用意された祝膳を囲んで祝宴に移ります。最近では、挙式だけ自宅で行って、祝宴を料亭やホテルなどに場所を移すことも多いようです。

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