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【 縁 談 】
恋愛結婚にはない利点
「縁談」とは、嫁取り、嫁入り、または婿養子の縁を結ぶための相談のことである。男女の交際が自由になり、恋愛結婚の多い現代では、嫁とり、嫁入りの相談というと、いかにも古くさく感じられまるかも知れません。しかし、性格的に控えめで、恋愛のチャンスをなかなかつかめない人もいるし、異性と接触する機会が少ない人も結構多い。結婚したいのにチャンスがないなら、しかるべき人に適当な候補者を紹介してもらうことになる。だから、昔から「縁談」が行なわれてきたのである。社会的に顔の広い人物が仲介者となって、結婚適齢期の男女を引き合わせ、お互いに相手が気に入れば結婚を前提に交際するというのが、一般的な「縁談」の方式である。
こうした「縁談」は見直しの機運にある。昔は本人の意思が無視されて、親サイドで一方的に縁談話が進められたが、今は違う。本人が嫌だと言えばやめることができるようになった。それにこのやり方のよさは、社会的信用のある人生経験豊かな仲介者が、めがねにかなった候補者を紹介してくれるから、人物評価にある程度の確実性がある。ひどいはずれは少ない。恋愛結婚の場合、往々にして一時の情熱で突き進む傾向があるから、いざ結婚して冷静になってみると、こんなはずじゃなかったと、後悔することが少なくない。だから、恋愛結婚の方がどうしても離婚率が高いのである。「縁談」の方が、着実で離婚するケースは少ない。
それに、顔の広い仲介者は、さらにその知人へとアンテナを大きく広げており、候補者を選ぶ範囲が広くなっている。多くの候補者の中から最もふさわしいと思われる人物を選んでくれるから、良い相手に恵まれる確立も高い。
このような着実性が恋愛結婚にない「縁談」の利点だ。失敗は少なく、良い相手に出会えるチャンスも多い。
仲介者の選び方
縁談を依頼する相手は慎重に選ぶ必要があります。いわゆる“世話好き”“おせっかい”といった調子のよい人は敬遠した方が良いです。断った場合「せっかく世話したのに、恩を仇で返した」逆恨みされかねません。また、これまでまとめた縁談の数を自慢するようなセミプロ的な仲介者は避けたほうがいいでしょう。この種の仲介者は縁談をまとめたいばかりに、相手の良いところばかりをほめ、欠点には触れない、いわゆる“仲人口”になりやすい。
それに、紹介してくれた相手が気が入らなくても断わりにくいような義理のある人にも依頼しないほうが無難です。
縁談を依頼するなら、人生経験が豊かで社会的信用があり、視野が広くて誠実で信頼できる人物を選びたいものです。もちろん。依頼する側の家族はもちろん本人をよく知っていて好意を持ってくれていることが望ましい。具体的には、身近な親類、恩師、先輩、上司、両親の友人などから選ぶことになるでしょう。
依頼の際の心得とマナー
縁談を依頼することになったら、親が本人と共に訪問するのが本来の作法です。親は母親、父親のどちらでもいいですが、前もって相手の都合の良い日時、場所などを指定してもらい、菓子折か果物など持参します。服装は礼装では大げさなので、あらたまった程度にすればいいです。男性ならばダーク系のスーツ、女性は、和服ならば控えめな訪問着か小紋、洋服なら落ちついたスーツかワンピース、アンサンブルでも良い。この場合、長居はしない。
親と同行できない場合は、いきなり本人がひとりで行くのは失礼だという考えもあるので、まず親が依頼に訪問し、後日、本人が挨拶にうかがうようにしても良いでしょう。いずれにしても一度は必ず本人が訪ね、本人の印象、性格、考えなどを知ってもらうようにしましょう。実際に会えば、かなり印象が具体的になり、仲介者も相手を選びやすくなります。
依頼の訪問の際には、本人の自己紹介の資料を持参して仲介者に預けること。自己紹介の資料は、履歴書、身上書、写真がワンセットであり、見合い写真は一組だけではなく、あらかじめ三〜四組預けておきます。複数の候補に渡しておくからです。
縁談を依頼したら、二〜三ヶ月に一度近況報告を兼ねて様子をたずねることです。頼みっぱなしで放っておくのは失礼です。といってあまり頻繁に問い合わせるのも催促がましく失礼になります。ほどほどに連絡をとるようにしたいです。
縁談依頼の服装男 性・・・・・・・ダーク系のスーツ
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自己紹介の資料の内容
縁談を依頼する際に、本人がどういう人間かを示す資料、すなわち履歴書、身上書と見合いの写真を渡すわけだが、履歴書、身上書は「釣書(つりがき)」と呼んでました。本来は系図書で、人名と人名を縦線で吊るしたところからこの名があります。親類書、家族書のことでありそれぞれについて説明しましょう。
●履歴書・身上書の書き方
自己紹の書き方は原則的に形式は自由です。自分を知ってもらうために、自分がどのように生きてきたか、どんな家庭環境で育ったかがわかるように書けばよいでしょう。一般的には履歴書形式の経歴書と身上書形式の家族書を書くのが普通です。履歴書と身上書を二通書いてもよいし履歴書の余白に身上書を記してもよい。
履歴書、身上書は市販の用紙もありますが、事務的な印象が強いので、避けたほうがいいと思います。毛筆なら半紙を、ペン書きなら上質の便箋を用いるといいでしょう。毛筆でもペン書きでもよいが自筆するのが原則です。へたでもよいから、楷書で丁寧に書けば、相手に好印象を与えます。書き損じたら訂正するのではなく、最初から書き直し誤字、脱字には注意して下さい。
履歴書は、氏名・生年月日・現住所・学歴・職歴、それに賞罰など書きます。

身上書は、自分の生活状況を記すもので、家族書を兼ねて身上書と家族書を分けて書いてもいいでしょう。
身上書が、健康状態(良悪、既往症、身長、体重、視力等)、趣味、特技、自宅の宗教、生活状況(現在、両親と同居かどうか。結婚後、両親家族と同居するのか)、収入(月収、賞与)なども記するとよいでしょう。尊敬する人とか生活目標なども書き添えると見合いのときの話題のきっかけなるでしょう。


書き上げた履歴書・身上書は、上質の白い長封筒に入れて表書きに「履歴書」「経歴書」「覚書」と記して、封をしないで仲介者に渡して下さい。色や模様の入っている封筒は避けて下さい。
●見合い写真の用意
見合い写真には、写真館やスタジオで撮影した台紙つきの正装写真がよく用いられます。女性は振袖、男性はタキシードかダークスーツで着慣れない服装のため緊張して表情が硬くなっていることが多いようです。時には独特の修正がほどこされていて素顔と違い実物の魅力がつたわりません。できるだけ最近の笑顔でいきいきとした自然の表情のスナップ写真を二〜三枚添えるとよいでしょう。全身写真も加えたたいですね。但し、異性が写っている写真は、いらぬ詮索を招くので避けるようにして下さい。また同姓同士のグループ写真もほかの同姓と比較されるのでタブーです。本人単独の写真が一番好ましいです。
スナップ写真の裏には、必ず氏名、住所、撮影年月日を入れておくのがエチケットです。名前を入れておくのは、仲介者がほかの人と混同することのないように、とうい配慮です。
この見合い写真とスナップ写真二〜三枚をワンセットとして、三〜四組を渡しておいた方が候補者が複数になることがあるからです。依頼者に催促されて、あわてて焼き増しを頼んでも間に合わず、タイミングを逃がすことありがちです。念のため五〜六組は用意し、手元に二〜三組はおいていたほうがよいでしょう。
希望ははっきりと具体的に
当然、結婚相手には希望や条件があります。「家つき、カーつき、ババァ抜き」という言葉がありますが、最近は、「三高」と言われ、高学歴、高収入、高身長と自分のことを棚に上げて、理想は高く持つということらしいです。
あまり身勝手、身のほど知らずな希望も困るが、縁談を依頼する場合「どなたかいい人を」とか「健康で優しい人を」とか、漠然とした希望では仲介者も迷うし、希望の条件は、はっきりと具体的に仲介者に伝えることが大切です。
ただ高望みをするのではなく、現実に即した希望、最低限度譲歩できない条件に限ることです。個条書きのメモにして仲介者に渡しておきます。
例えば、男性の候補者に対しては、「サラリーマンではなく自営業がよい」「自分が一六五センチあるから身長の高い人を」「スポーツマンがよい」「収入は○万円程度」「長男はどうしても駄目」等々。
女性に対しては、「自分の会社は外国勤務が多いので英語ができる人」「料理の上手な人」「年寄りに優しい人」「犬を飼っているので犬の好きな人」等々、具体的にあげる。
また、男性の両親と同居するか別居するか、扶養家族がいるのか、また、女性が結婚後も仕事を続けたければ、そのこともメモに加えておきましょう。
こうした希望や条件、質問は、決して失礼になりませんから、仲介者に遠慮なくたずねることです。仲介者には「仲人口」といって、不利なことはわざわざ言いたがらない人もいます。しかし、こちらがたずねれば答えてくれます。
また、希望を述べるだけではなく、もし自分のほうに不利な条件があったら、隠さずに正直に伝えることです。例えば、「扶養家族がいる」「会社の転勤が多い」「再婚である」等々、はっきりとしておきたいです。学歴、職歴、家族状況で相手が疑問に持ちそうな点は、率直に仲介者に事情を説明しましょう。
断わるならできるだけ早く
仲介者から相手の資料が届いたら、本人が親をまじえて検討し、不明な点があれば遠慮せずにたずねて下さい。決して失礼にあたりません。
返事はできるだけ早く、二週間以内に返事をしてください。断わる場合はより早めに連絡してください。
断わる際には、原因が学歴や身体的にあっても、その点はぼかして理由をつけることがエチケットです。相手の欠点を指摘するような断わり方では、相手を傷つけるだけでなく、仲介者に対しても失礼になります。そんな場合、相手の長所をほめたあと、
「趣味や好みが違うようですので・・・・・・」
「良縁だと存じますが、本人が気が進みませんので・・・・・・」
「もったいないような話ですが、このたびはご遠がなかったということで・・・・・・」
などと言えばいいでしょう。
ただし、理由はぼかしても、断わる態度ははっきりと示すことです。あいまいな態度は禁物です。あらかじめ希望をはっきりと具体的に仲介者に伝えてあれば、細かい理由は言わなくても仲介者には本意が伝わるはすです。
また、熱心な仲介者なら、相手方には伝えないから、次の相手を探すために、本当の理由をしらせてほしい、と言うかもしれません。そんな場合は率直に伝えて下さい。
今回は断わったが、さらに相手を探してほしい場合には、 「ほかに適当な方がいらっしゃるようでしたら、これに懲りずによろしくお願いします。」
と、再度依頼します。
相手の資料を検討して、基本的によいと判断したら、いよいよ見合いに進むわけですが、その気もないのに、会うだけ会ってみようと興味本位に見合いに応じるのは無責任です。また、断わる失礼だからと、義理で見合いすると、かえって失礼にあたるので慎みたいです。
結婚相談所の利用法
親類、知人などに依頼する縁談は、身元がしっかりしているなど利点も多いですが、どうしても限られた範囲にとどまるので、さらに範囲を広くするという意味で、結婚相談所という仲介機関を利用する方法もあります。この場合は義理やしがらみのわずらわしさがなく、気に入らなければ断われるという良さがあります。結婚相談所には、民法で定められた結婚適齢期(男満十八歳以上、女十六歳以上)の独身者なら誰で申し込みできます。
結婚相談所には、公立と私立があります。
公立の結婚相談所は全国の都道府県にあるので、地元の市町村の役場に問い合わせれば詳細がわかります。費用はすべて無料です。
申し込みに必要な書類は、戸籍謄本、住民票、最終学歴証明書、職業証明書(勤務先の身分証明書)、収入証明書(給与証明書)、履歴書(市販のもの)などで、それに写真、印鑑も必要です。また、相談所備え付けの申し込み用紙に必要事項を記入します。
このように登録をすませ、条件に合う適当な相手が見つかれば、相談員立会いのもとに見合いの運びとなります。
私立の相談所は会員制になっているところ多く、コンピューターシステムの全国ネットの大規模のものから、地域的な小規模ものまでさまざまで、費用もいろいろです。信用のおける相談所は、大企業が付属機関として経営しているものが無難のようだが、中にはデートクラブまがいのいかがわしい相談所もありますので気をつけて下さい。
縁談を依頼されたら
ある程度の年齢となり、社会的地位もできると、親類、知人、友人から、縁談を依頼されることがあります。中には、世話好きで、人に頼まれればすぐに引き受ける人もいますが、安請け合いしないことです。結婚は若い男女の人生を変えかねない重大事ですので、自分の信用にもひびきます。もし引き受けることにしたら、まず直接、本人に会って意志を確かめ、希望や条件を聞いて、不明な点、疑問点があったら本人に聞きだすことです。本人をよく知らないで縁談を進めることは避けたいです。
いわゆる「仲人口」は戒めることです。実際以上にほめたり、重要な欠点を隠して話を進めると、あとで責任問題になりかねません。公正な目しっかりと本人、家庭環境などを見て誠実に対処したいものです。
依頼されてから半年間、ふさわしい相手がみつからなかったら、ひとまず資料を返すのが礼儀です。




