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香典の心得とマナー

香典は昔、米麦だった

 もともと「香奠」と書かれたのが、現在では「香典」と書かれるようになりました。死者の霊に手向ける香の代金として、親族、知人から喪家に贈られる金銭のことで、昔は「つなぎ」と呼ばれていました。「つばぎ」とは、銭さしに穴銭を通すことで、古くから金銭を贈っていたことがわかります。それ以前は、米、麦、野菜などで、「入れ米」「枕米」などとも呼ばれていました。今でも「1表香奠」といわれて、親族から贈られた米俵を玄関に飾る地方もあります。

 今では、喪家の経済的負担を軽くするために協力する意味で、現金が贈られのが普通になりました。地方によっては、通夜に供物、葬儀に香典と、二回に分けて贈るところもあります。


出す時期は通夜か葬儀の際

 初めて弔問したときに出すのが原で、一般的には通夜に持参するのがしきたりなっていますが、通夜に弔問しない人、都合で弔問できなかった人は、葬儀、告別式のときに持参します。

 臨終直後に取りあえず駆けつけた席で香典を出すのは、手回しがよすぎて喪家に不快感を与えかねません。また取り込みの最中で、香典がとりまぎれて紛失することもあり、あとで双方の行き違いで気まずい思いをすることにもなります。改めて通夜に持参するようにします。


金額を決める基本

 香典の金額をいくらにするかは、故人、遺族とのつきあいの程度、自分の立場、地域差、貨幣価値の変動などによって、いちがいには言えません。
「喜事(よろこびごと)には少なめに、弔事(とむらいごと)には多めに」そして「目上には薄く、目下には暑く」というのが基本です。
 また、故人が一家の主人や主婦の場合は多めに、老人や子供の場合は少なめに考えます。
 
 大ざっぱに、月収の一〜三パーセントという目安もありますが、それよりも、同じような立場の人が身近にいましたら、事前に相談してバランスをとるのが賢明です。職場の慣習で相場が決まっていることが多いので、職場関係ならそれに従ってください。

 また。金額の数に縁起をかつぐ人もいます。「二度とないように」と「二」という数字を避け、「四」は「死」に通じると忌み、二千円、四千円、二万円、四万円を避ける人も少なくありません。中には偶数を避ける人もいます。

 これは根拠のない縁起にすぎません。基本的には気にすることはありませんが、喪家が縁起をかつぐ人でしたら、非常識呼ばわりされかねませんので、一応避けるのがいいかもしれません。

 現金は葬儀では、新札を使わないのがしきたりです。


正式な包み方

 正式には、現金を包んだ「中包み」(内包み)を、さらに「上包み」(表包み)で包みます。

 中包みは半紙を使い、上包みは奉書紙を用います。奉書紙の代わりに、美濃紙、糊入れ紙が使われることがあります。香典が高額の場合は、新檀紙、小高檀紙を使う人もいます。

 上包みの折り方は、慶事の場合とは逆に凶の形にします。つまり左右は、右から折り込んで左を上にして包み、上下は下を先に折り、上を重ねます。

 水引は黒と白か銀一色を結び切りしてかけます。

 最近は市販の香典袋を利用すること多く、中袋は封をしないのが決まりです。


香典の包み方


上包み(香典袋)の表書き

 もともとは品名と数量を書く目録の意味がありましたので、水引の上に「御香料」、下に「金○○円」と書き、その左寄りに姓名を書きましたが、現在では、金額は小さく裏書きされたり、中包み(中袋)に書かれるようになりました。

 正式には毛筆、薄墨で書きますが、香典袋では筆ペンやサインペンも使われるようになりました。

 水引の上に書く表書きの形式は、仏式、神式、キリスト教式によって違います。

仏式
御霊前 御香料 御香典 御供物料 御香華料
神式
御玉串料 御神饌料 御榊料 御神前 御供物料
キリスト教式
御弔慰料
プ ロテスタント・・御花料
カトリック・・御ミサ料

 なお、「御霊前」は、宗派に関係なく、共通して使えます。

 ただ、ある程度の期間が過ぎると使いませんので注意してください。また、香典袋に蓮の模様が入っているものは、仏式に限られます。

 水引の下には姓名を書きます。苗字と名前をフルネームで書くのが礼儀です。先方の整理上の手間を配慮して、姓名の右肩に小さく住所を入れておくのもいいでしょう。また、社名、肩書きを入れたいときには、名前の右肩に小さく添え書きをします。名刺を用いるときは、左下隅に貼ります。


金額と住所、氏名の記入

 中包みには、表側中央に金額を記し、裏側に住所、氏名を書きます。

 香典袋の中袋には、金額の記入欄がありますので、そこに記入し、住所、氏名を添えます。このよに金額、住所、氏名を記入するのは、喪家側の香典係、会計係の労力を少しでも軽くするためです。


むき出しで持参しない

 香典はむき出しのまま持参するのは無作法で、袱紗か風呂敷に包んで持参します。最近は、中身が傷まないよいように配慮された台付きの袱紗もあります。

 袱紗や風呂敷は紫、紺、グレイなど地味な色のものにします。風呂敷ならば無地が良い。袱紗の包み方は慶事とは逆に右側からたたみます。

 受付で袱紗から取り出し、「ご霊前にお供えください」と挨拶し、両手を添えて受付のほうに向けて差し出します。祭壇に手向ける場合も向こうに向けて供えるのが普通です。

 袱紗ごと出すのは相手に手数をかけますので、お供え本来の意味にもそぐみません。

弔事用袱紗のたたみ方


郵送の際の注意

 通夜、葬儀、告別式のいずれにも出席できないときには弔電を打ちます。急ぎ香典を郵送します。

 現金書留封筒んは、市販の香典袋が入りますので、現金を中袋に入れて速達で送ります。半紙に紙幣を包んで、表書きして送ってもかまいません。現金書留とは別に参列できない理由を書いてお詫びをして、遺族を慰め励ます手紙を出すのを忘れずにします。宛名は、喪主宛にします。


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