葬のマナーと作法 通夜弔問客の心得とマナー(仏式の場合)

通夜弔問客の心得とマナー(仏式の場合)

出席する範囲はどこまで?

通夜はもともと私的なものとはいえ、最近はかなり公的になってきましたので、出席すべきかどうか、迷う人も多いようです。
喪主から通夜の通知を受けましたら、できるだけ出席します。親族はもちろん、親しく付き合っていた友人、知人、隣近所は、通夜の通知を受けていることが多いでしょうが、たとえ通知がなくても、できるだけ出席します。
ただ、単なる仕事上のつきあい程度や、あまり親しくない間柄でしたら、出席するとかえって迷惑なものです。
もし葬儀に出る予定しているならば、通夜に出席する必要なありません。どうしても弔問したい場合は、玄関か受付で弔辞を述べ、名刺を置いてそのまま辞去します。
喪家や世話役に電話で通夜の日時をたずねて、「内輪でやりますので」と辞退されましたら遠慮します。日時を教えてくれましたら出席するようにします。
なお、葬儀に都合で会葬できない場合は、通夜に弔問して、「葬儀に来られないので」と延べて、お悔やみを述べましたら、すぐに辞去し、長居しないようにします。都合が悪いときは、通夜に弔問すれば、葬儀に会葬しなくてもさしつかえません。

出席できないときは?

通夜の通知を受けて弔問できないときは、配偶者など家人を代理人として弔問するのがマナーにかなっていますが、葬儀に会葬できるならば、無断で欠席しても構いません。喪家に断りの電話をするのは、取り込み中ですので、かえって失礼になります。不必要なことで喪家をわずらわせないようにします。葬儀にも会葬できない場合は、取りあえず弔電を打っておきます。後日できるだけ早い時期に霊前に線香を上げに伺います。

弔問の際の服装?

喪主、遺族は正式の喪服で迎えますが、弔問客は、通夜n場合は、取るもの取りあえず駆けつけますので、葬儀の場合と違って、喪服でなくても失礼にあたりません。準喪服か地味な平服で構いません。
男性は、ダークスーツに地味なネクタイと靴下、白いワイシャツに、靴はなるべく黒がいいでしょう。
女性は、地味な色とデザインのワンピースかスーツにして、結婚指輪以外はアクセサリーは外します。濃い口紅、マニキュアは慎みます。
和装の場合は、無地か小紋の地味なものにして、帯も黒か地味なものにします。
勤務先から直行する場合は、あまり派手でなければそのままで構いません。常々、ロッカーに黒のネクタイ、黒の靴下を用意するのもいいでしょう。また地位た部課によっては、弔問、会葬が多いこともありますので、ロッカーにダークスーツ、黒のネクタイ、靴下、黒靴を用意するのも万全かと思います。
ときどき喪章を胸や腕につけている方を見かけることがあります。喪章は喪家側の立場の者が喪服代わりに付けるもので、世話役たちは付けてもいいですが、弔問客、会葬者は付ける必要はありません。

お悔やみの言葉

お悔やみの言葉は、故人の死を悼み遺族を慰めるのが目的です。真心をこめて簡潔にしっかりと述べることが大事です。大声にならないようにします。口の中でモグモグと尻切れとんぼにならないように、一語一語はっきり話をするようにします。
お悔やみの言葉に代表的なのが「このたびはまことにご愁傷さまでございました。さぞかしお力落としのことでございましょう。お察しもうしあげます」があります。
この中の「ご愁傷さま」は、敬語の乱用で「さま」を取り、「ご愁傷でございました」と言うのが正しいという指摘もあります。ただ「ご苦労さま」「お世話さま」「お疲れさま」と同様、慣用語になっていますので、「ご愁傷さま」のほうがぴったりくると思えらたら使っても構いません。
遺族を慰めたいばかりに、八十歳、九十歳の長寿で亡くなった人の遺族に、「天寿をまっとうされたのですから・・・・」「これもご寿命と思って・・・・」などと言うのは行き過ぎです。無礼で非常識な言葉になります。この言い方は、遺族自身が自分を慰めたり、お悔やみの言葉を受けて、けなげに答えるときに使われるものです。例えば迷惑をかけた相手に「ご迷惑はお互いさまでsyから・・・・」とこちらから言う非常識さ、無礼さに通じます。
お悔やみの際、忌み言葉、重ね言葉を禁句として嫌がる方もいますので、使わないことです。

忌み言葉、重ね言葉一覧

【 忌み言葉 】

切れる(切る)  別れる  離れる  返す(返る)  帰る(帰す)  繰り返す  戻る  去る

出る(出す)  退く  嫌う  飽きる  滅びる(亡ぶ)  冷える  冷める  死ぬ  病む

憂える  苦しむ  悩む  枯れる  破れる  終わる  追う  失う  逝く  倒れる

流れる  傷つく  落ちる  敗れる  うとむ  また  ふたたび  かつまた  なおまた

二度  再度  再三  再三再四

【 重ね言葉 】

重ね重ね  繰り返す  たびたび  またまた  重々  ますます  いよいよ  くれぐれ

いろいろ  しばしば  再々

拝礼の仕方

受付があれば、そこでお悔やみを述べて、香典、供物等を渡し、記帳します。または、左下を少し折り曲げた名刺を差し出します。
焼香には、線香を立てる場合と、抹香を焚く場合がありますが、焼香台の前に進み出るまでの作法は同じです。また、立礼と座礼があります。ここでは、座礼をとりあげます。
左手に数珠をかけて、僧侶、喪主、そして先客に一礼してから、祭壇の前の座布団の手前に正座して、受付がない場合は、持参した香典を右膝の脇前に置いて霊前に一礼して、両手をついて漆行します。両かかとを上げ膝を交互に進めて、にじり進んで座布団に座り、香典を供えてから、遺影を見つめたあと合掌します。
線香の場合は、線香を右手でとり、ろうそくの火を線香に移してから、線香の炎を左手であおいで消し、線香を香炉に立てます。炎を口で吹き消したりしてはいけません。線香は宗派によって一本と一本〜三本立てる場合があります。3本立てるときは、まとめて立てるのはだめです。
抹香の場合は、遺影をみつめたあと焼香台に進み出て合掌し、右手の親指、人差し指、中指の三指で抹香をつまみ上げて、静かに香炉にくべて焼香し、故人の冥福を祈ります。抹香をつまんだ際、押しいただくようようにするのが習慣化していますが、宗派によって物事崇拝としてやらない寺院もあります。本人の考え方で決めても構いません。回数も宗派に一回、二回、三回とよって違いはありますが、これは、寺院のケースであって、一般の方は一回で充分です。
焼香のあとは、再び合掌したあと、両手をついて座布団を下げ、一、二歩、漆退して僧侶、喪主、遺族に丁寧にお辞儀をして、返礼を受けてから祭壇の前から退席します。喪主に一礼した際にお悔やみの言葉を述べても構いません。
場所が狭い場合には、回し焼香が使われることがあります。

遺体との対面

遺族に対面を勧められた場合のみ、遺体と対面します。自分から対面するのは出過ぎた行為です。遺族が顔にかけてある白布をはずしてくれましたら、丁寧に一礼して対面します。白布は自分では取らないことです。

通夜見舞の品々

通夜の際に持参する供物は「通夜見舞」と呼びます。花でも良いですがあくまでも見舞の品として、通夜の席ですぐ役立つものがいいでしょう。弔問客の多い喪家では、酒、ビール、ジュース類が通夜ぶるまいの足しになります。
見舞の品は同じものが重なりやすいので、もてあますこともあります。生ものは避けた方がいいでしょう。

通夜会場でのマナー

祭壇の部屋に入る前に必ず一礼して、席にに着きましたら、左右の方に目礼をして不必要な会話は慎み、万事控えめを心がけます。
久しぶりに親族、知人同士が会って談笑したり、ゴルフの話に興じたりする光景をよく見かけますが、目礼程度ににします。
遺族の悲しみを察して、大声で話したり、高笑いをしたりしてはいけません。歯を見せて笑わない慎み深い態度を保つことです。地声の多きい人、声の高い人は自制しましょう。
読経中は中座はもちろん、姿勢を崩したり私語を交わしたりしない。
和室では、大きな移動は腰をかがめて控えめに歩を運び、小さな移動は膝行膝退が原則です。膝をついたまま、かかとを上げて膝を交互に運ぶ作法です。
子供の葬儀の場合、やむを得ない場合を除いて、同じ年頃の子供を連れて行かないのが、子供を亡くした遺族への配慮です。

遅刻したときには?

定刻を守るのが原則的なマナーですが、やむを得ない事情で遅れた場合には、目立たぬように、そっと入室して末席に座ります。お悔やみの言葉は辞去の際にします。

通夜ぶるまいでの作法

通夜ぶるまいは、故人との最期の食事をするという意味と、故人の功徳のためのもてなしという意味がありますので、喪主、遺族にすすめられたら、遠慮するのはかえって失礼になります。
通夜のあと通夜ぶるまいに残るのは、故人と特に親しかった人だけ、というのが原則です。
親交のなかった人は、読経、焼香が終わりましたら帰えるのが常識で、勧められもしないのに、いつまでも残っているようなことがないようにします。
通夜ぶるまいでは、故人の思い出話をしんみりとなつかしく交わすし、話題は故人と関連のあるものにして、無関係な話は極力避けます。
故人は賑やかなことが好きだったから、賑やかにやりましょう」と言い出す人が必ずといってよいほど出てきますが、酒も出ることでなので、宴会のように騒ぐのはよくありません。羽目をはずすのはもってのほかです。同調しないよう心がけます。
酒は「身洗い酒」として出されますので、酔うほど飲むのはわきまえて杯を受けるようにします。

辞去する際のマナー

どんな用事があっても、僧侶の読経が終わるまでは、中座をしないのが大事なマナーです。
読経、焼香が終わりましたら、やむを得ない用事があって中座するときは、目立たぬように退室して、世話役にお詫びを述べて辞去します。
喪主や世話役代表から、お開きの挨拶がありましたら、ぐずぐずせずに辞去します。九時か十時か指示の時刻が来ましたら、必ず辞去します。
辞去するときには、わざわざ喪主のところに挨拶しに行く必要はありません。遠くから目礼程度がいいでしょう。

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