葬のマナーと作法 会葬の心得とマナー

会葬の心得とマナー

葬儀と告別式は、もともと別個の儀式で、葬儀は喪主、遺族、親族、親しい友人、知人が故人を悼む儀式であり、告別式は一般会葬者が故人と別れを告げる儀式です。葬儀への参列者と告別式への会葬者とでは、故人への親密度が違います。
もし喪家から、葬儀への参列の要請がなければ、告別式だけの会葬だけでもいいでしょう。

定刻の十分前には入場

葬儀会場には、定刻の十分前か十五分前には入場するのが礼儀です。
到着しましたら受付を経て会場に入り、席を指示されましたら、その席に着きます。席の指示がなければ、自分の立場を考えて、控えめに席を選びます。
葬儀が始まってからの入場は、荘重な雰囲気をこわしますので、たいへん失礼になります。交通渋滞などやむを得ない事情で遅れた場合は、目立たないように入場して末席に座ります。
タクシーで受付近くまで乗りつけてくるのも無作法です。少し手前で降りて歩いて受付に行きます。
告別式だけに会葬する場合は、予定時間を見はからって、焼香なり、玉串奉奠なり、献花などをすませます。終了まぎわに駆けつけるのは、時間が延長される原因となりますの慎みます。

受付での作法

受付係は、遺族でなくても、遺族の代理の立場にあるので、お悔みは受付で述べます。「このたびは、ご愁傷さまでした。これをご霊前にお供えください」と手短に挨拶して香典を差し出し、記帳します。通夜のとき香典を渡してあれば、重ねての香典は必要ありません。名刺を出すときには、右上に「弔」と書き、左下を少し折り曲げておきます。これは、本人が会葬したという目印です。
受付で荷物を預かってくれるので、コートや鞄類は預けてもよいが、原則として荷物になるようなのは持参しないことです。

遺族への挨拶

原則として葬儀や告別式では、喪主や遺族は、定められた席にいるしきたりになっていますので、遺族席にわざわざ出向いて個人的に挨拶するのは出過ぎた行為で、マナー違反です。焼香、玉串奉奠、献花の際、軽く一礼する程度にします。
葬儀が始まる前に、たまたま喪主や遺族と間近に顔を合わせ、通夜でお悔みを述べていませんでしたら、手短に心をこめてお悔みを述べてもかまいませんが、離れていて会場で目があった場合、わざわざ近寄らず目礼程度にします。
もし遠距離から会葬し、ぜひ遺族に直接挨拶したければ、世話役を通じて希望を伝えてもらい、控室などの別の席で対面するようにします。

焼香の仕方

葬儀の形式には、仏式、神式、キリスト教式などあります。日本では仏式が多いので、焼香について特に項目を立てることにします。
焼香には抹香をくべる場合と線香を立てる場合があります。焼香の作法は、通夜の場合とほぼ同じで、座礼焼香、立礼焼香、それに回し焼香があります。

座礼焼香

座敷における移動は「膝行膝退」によって行います。「膝行膝退」とは、両手をついて爪先を立て、膝を交互に移すことによって前進、後退する作法です。

1.順番がきました、次席の人に会釈してから、数珠を左手にかけて進み出る。

2.僧侶と遺族に一礼し、焼香台前の座布団の手前まで膝行して正座する。

3.遺影を見つめて一礼し、座布団に座って合掌する。座布団をはずして座る人がいますが、その必要はありません。

4.左手はそのままにし、右手の親指、人指し指、中指の三指で抹香を少量つまみ、香炉の中にくべます。つまんだ香を目のあたりまで捧げることが慣習化していますが、物事崇拝を嫌って、香そのものを押しいただくのを避ける宗派、寺院もあります。
また焼香の回数も、主香、従香の二回、あるいは仏法僧の三宝のために三回献ずる宗派もあります。一回でよいという考えもあり、現在は一回が多くなっています。

5.再び合掌してから、両手をついて座布団をおり、一、二歩膝退して、僧侶、遺族に一礼してから向きを変えて、自席に戻ります。

焼香の仕方(座礼焼香の場合)

焼香の仕方(座礼焼香の場合)

立礼焼香

立って焼香をする形式で、会葬者が多いときに行なわれます。手順は、基本的には座礼の場合と同じです。

1.順番がきましたら、次席に会釈してから席を立ちます。数珠は左手にかけます。

2.自席を一歩出たところで、僧侶と遺族に一礼し、焼香台の三歩くらい前で立ち止ります。

3.遺影を見つめて一礼し、焼香台の前まで進んで合掌します。

4.焼香の仕方は、座礼とまったく同じです。

5.焼香のあと、再び合掌し、そのまま向きを変えずに二、三歩下がり、僧侶、遺族に一礼して自席に戻ります。

焼香の仕方(立礼焼香の場合)

焼香の仕方(立礼焼香の場合)

回し焼香

場所が手狭な場合には、会葬者の席の間に、抹香と香炉を回して焼香することもあります。
香炉が回ってきましたら、会釈をして合掌して次の人に会釈して回します。
地方によっては、回し焼香の際に百円程度の寄付をする慣習があります。

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